一身にして二生を経るが如く

2007年12月25日

ブログ

ウェブ時代をゆく
先日からGmailを使用しています。Googleのフリーメールサービスで非常に便利です。Gmailで自分のアカウントを取得し、会社のPCのアカウントを登録しておきますと出先のどのPCや携帯telからからでも読み込め、自分の空き時間や自宅で返事が書けます。メール上に検索機能もあり、同じ語句を使用したメールもたちどころに集めてくれます。「あちら側の世界」にメールを預けておくといった感じでしょうか?

 出張中に携帯でメールをチエックし、返事を書けるのでチャット感覚で使用できます。テクノロジーの進化が我々の生活を大きく変えてくれます。

「ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか」梅田望夫著を読みました。

 福沢諭吉は「文明論之概略」の中で、幕末から明治の変化「恰(あたか)も一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」と表現しました。我々の生きる現代が後世「情報技術(IT)が世界を大きく変えた時代」と総括されるに違いないと著者は述べています。

 半導体の発明によるパソコンの誕生、インターネットの発展、誰もがITに関する必用充分な機能を手に入れるチープ革命、グーグルによる世界の知の体系化、これから未知の大変化・・・。ネット空間は「知と情報」に関しては「リアルの地球」と同じくらい大きな「もう一つの地球」とでも言うべき存在に発展していこうとしています。

 「情報の高速道路」・・女流棋士里見香奈(1992年生まれ)初段は「高速道路を猛スピードで疾走する少女」として書かれています。辺境の地、島根でネット上の対局サイト(「将棋を指す」ことが好きでしょうがない人が24時間365日集うサイト)で遠方の強豪と競いあい、「距離」を克服し世に出ました。

「情報の高速道路」を利用することによって、短期間にその知識を専門家に近いまでに学び、「その後の大渋滞」を経て、「高く険しい道」を行くか、あるいは高速道路を途中で降りて、「けもの道」を行くかは個人の判断によります。

 ウェブ2.0「あちら側の世界」では、主催者があるソフトウェアのソースコード(人が記述したプログラムそのもの)をネット上で無償公開し、世界中の不特定多数の開発者が自由に参加できる環境を用意し、さらにそのソフトウェアを共同で進化させていっています。「人は雇用関係や金銭的契約によって働くもの」といった概念をくつがえし、オープンソース・コミュニテイーは成長続けています。

 そして英語圏のネット空間が「パブリックな意識」にドライブされされつつ進化しています。誰もが実名で参加する数千万人規模の壮大なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が実社会でも利用されるようになっています。
 
 いずれにしてもこれからの若い人に「ウェブリテラシー」(読み書きの能力。識字。ある分野に関する能力)を身につけ「自分の志向性」に忠実に生きていくすべを身につけてほしいと著者は述べています。ウェブは「自ら助くるものを助く」。より求められる自助の精神・・・。

 読んでいく中で、「一身にして二生を経る」覚悟と「あちら側の世界」にある将来性と明るさ(善性)を感じました。

「Only the Paranoid Survive」 (病的なまでに心配性な人だけが生き残る)
                    アンディー・グローブ(インテル創業者)

 

 

 

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