2012年6月15日
「『生きる力』の強い子を育てる 人生を切り拓く『たくましさ』を伸ばすために」天外伺朗著を読んで考えさせられることがありました。
息子の幼稚園時代のスライム遊びをして、陶然とするする写真が好きです。
学生時代に運動部にいて「ALL OUT」という言葉を覚えました。トレーニングで全て出し切るまでやることです。
子供を授かり幼稚園に通わせている頃、漠然と「フラフラになるまで遊んだらいいな・・。」と思ってました。
弊社の課長は、子供時代に近所のお宅の庭にわざわざ友人と穴を掘り、水をためて大きな石を投げ込んで喜んだり、泥団子を作ってよそのお宅の二階の壁に投げつけて喜んだりしてたそうです。(今、無人の住宅展示場に休みの日に子供が入ってきてお菓子を食べ、食べた菓子くずに彼は反対の追体験??)
別の取締役は、専門学校時代に福知山へ帰ってきて家の車を親に無断で大阪に持って行ったそうです。(所謂かっぱらい(-。-;)週末は綺麗に車を洗車し、一晩中阪神高速の環状線をグルグルと機嫌よく廻っていたそうです。
また、川にバッテリーを背負い、魚を感電させようとして、背中に希硫酸が流れ、カチカチ山の狸状態になったそうです(笑)
・・・本書では「学力」が物をいう社会は終焉を迎え、これからの時代の子供の教育をどうするかの提言が書かれています。
何かに没頭する状態を「フロー」といい、子供はまず徹底的に遊ばせ、フロー体験をさせるべきと書かれています。
子供に「いい人生」を思わぬ親はいない。人は学力や学歴がそのままいい人生に繋がると、信じて疑わなかった。
今の時代、その図式が実際に繋がっているとは誰も信じられなくなっています。
日本の学校教育自体も「お国のための教育」「与える教育」になり、「引き出す」教育が出来ていない。
ルソー、シュタイナー、モンテッソーリ、デユーイ、ニイル、グリーンバーグ、斉藤公子等の先人の教育学に的確に「生きる力」を強化するための基本的な要素が組み込まれているそうです。
・・・・絵を描く場合の斉藤公子の方法論は、一切の命令や強制がなく、自発的に、何の制約もなしに、自由に描かせる。
顔から手足が出ている絵は、健全に育っている証拠である。自然に抽象化・自分を取り巻く廻りとの関係・天地との関係等情感豊かな絵が描けるようになっていく。著者はSONYでのAIBO等ロボットの開発の延長線上に人間の抽象化等の能力に注目している。
「胴体から手足が出ている」など絵を描き方を指導した場合、数十億年発達してきた情感等をつかさどる古い脳を抑圧して、大脳新皮質(理性・思考・論理)だけで考えるようになってしまい情動の発達に蓋をしてしまう。
・・・その後は、いわゆる「いい子」になり、社会で如才なく立ちまわる人間に通じていってしまい、組織でも人材として活躍しがたくなってしまう。
卒園前の園児の大多数が、教えられたような写実的な絵を一律に描くことへの幼稚園長の危機感に対し、斉藤は一切の絵を禁止し、園の庭に土山を作り、20人が各自トンネルを掘り、真ん中で落ち合う作業を提案。
情動に蓋をされてしまった園児は嬉々として泥だらけになりながら、三ヶ月間穴を掘り進め山の真ん中で感動の合流を果たす。その後に絵を描くことを許され、僅か三ヶ月後に描いたと思えない情感豊かな絵を描く。精神的に大きな変容を遂げていると推測された。
・・・モンテッソーリ・スクールの卒業生にはグーグルの創始者の二人ラリー・ページ、セルゲイ・ブリン、 アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス、「シムシティ」などで知られる天才ゲームクリエーターのウィル・ライト、ウィキペディアを始めたジミー・ウェルズなどがおり、現代の産業界をブレーク・スルーする人々を綺羅星の如く輩出しているそうです。
仕事やプライベートでもいろいろと考えさせらます。
あっ・・・そうそう、会社のT君が3歳の愛児を連れてデイズニーランドに行ったそうです。子供さんは嬉しくてデイズニーランド内を走り廻ったそうです。悲しいかな、夕刻まで体力が続かず、何回も走っていて、前のめりに・・文字通りバタン!と倒れたそうです(*^_^*)
我が家の次男もその昔、デイズニーランドの夜間パレードを見て、文字通り魂を奪われました。
いい体験ですね(`_´)ゞ