シューン、シューン♪

2014年2月12日

ブログ

unnamed1
 

昨日はハチ北高原まで滑りに行っていました。

山頂では-7℃でした。

雪質も良くシューン、シューンと滑走を楽しみました♪

木々の枝に雪がエビの尻尾のように凍てついた樹氷の眺めも格別でした。
 

unnamed

 
 
今、「フロー体験 喜びの現象学」M.チクセントミハイ著 今村浩明訳を読んでいます。

・・・文化は日々のつまらない生産活動を、可能な限りフロー活動に進化することがある。仕事と家族生活がともにやりがいのあるものでありながら、それが調和的に統合されている集団がある。ヨーロッパの高山の谷間、アルプス山脈の谷間に、産業革命を免れたこのような共同体が未だに存在している。

・・・このような地域の最も著しい特徴は、住民が仕事と自由時間をほとんど区別していないことということである・・・

ポント・トレンタックスの76歳の老女セラフィーナ・ヴィノンは、今でも牛の乳搾りのために朝5時に起きる。それから彼女はたくさんの朝食を作り、家の掃除をし、天候と季節によっては氷河直下の牧場に牛の群れを連れ出すか果樹園の手入れをするか羊毛を剥くかする。夏には彼女は高原の牧場地で草を刈り、その大きな束を頭に載せ、干し小屋まで数マイル運ぶ。寄り道をしなければ半分の時間で干し小屋に着くことが出来るが、彼女は坂道を壊さないようにするため、見分けのつかない曲がりくねった小道をたどることを選ぶ。夕方には本を読むか、ひ孫に物語を聞かせるか、週何回か彼女の家に集まる友人や親戚とのパーティーでアコーディオンを弾いたりする。

 セラフィーナはすべての木・石・山の特徴を古くからの友達のように知っている。・・・
 
 生活の中で何をするのが一番楽しいかと尋ねられた時、セラフィーナはためらわず、乳を搾ること、牛を牧場に連れ出すこと、果樹園を剪定すること、羊毛を剥くことと答えた・・・事実彼女が最も楽しんでいたのは、これまでの生活でずっと続けてきたことであった。彼女自身の表現によれば「とても楽しいのさ。外にいること、人と話すこと、家畜と一緒にいることがね・・・植物・鳥・花・動物―何とでも話しをするよ。自然の全部がずっと友達さね。自然は毎日変わっているよ。せいせいするし楽しいねぇ。くたびれて家に帰らなければならないのが残念でねぇ。・・・うんと働かなくちゃならない時だって素敵だよ」。・・・
 
 
 ・・・昔の思想家にフローという現象がどのように現れていたかを示す興味ある実例の一つは、2,300年前の道教の思想家である荘子の著作に見られるという概念である。とは進路、つまり道に正しく従うことを意味している。これは英語で「逍遙すること」「宙を歩くこと」または「泳ぐこと」「飛ぶこと」「流れること」(flowing)などと訳されてきた。荘子はが適切な生き方―外的報酬に感心をもたず、自発的な、自分の全てを委ねる―つまり全的な自己目的的経験としての生き方であると信じていた。

 いかにに従って生きるか―いかにフローにするか―の一例として、荘子は彼の名前を今日まで伝えることになった著作『内篇』の中で、身分の低い使用人の寓話を書いている。この人物は魏の恵王の宮廷で肉の解体を仕事とする料理人の丁である。・・・

「丁は魏の恵王のため牛を割いていました。手が動くたびに、肩が動くたびに、足が動くたびに、ひざが動くたびに、サクッ、サクッ。丁は包丁をシュッ、シュッと滑るように動かしました。桑林の舞を舞うように、経首の会(しらべ)に合わせるように、何もかもとても良い調子でした。」

 恵王は、自分の料理人が仕事をフローして(の状態で)いるのに心にかれ、丁の技を賞賛した。しかし丁はそれを技の問題であることを否定した。「私が心掛けているのは技を越えた道でございます」。そして彼は、どのようにして卓越した動作、やすやすと肉を薄切りにすることを可能にする、牛の構造についての一種の神秘的で直感的な理解を得たかについて述べた。「感覚や知識は、働きを止め、心だけが自由に動きます。」・・
 
 
・・・アルプスの土地を耕す老婦人、南シカゴの溶接工、古代中国の伝説の料理人は、次のことが共通している。彼らの仕事は困難であり魅力的なものではない。そして多くの人々はそれを反復的、また意味のないものと考えるだろう。しかし、これらの人々は強いられた仕事を複雑な活動に転換した。彼らは他の人々が認識しなかったところの挑戦の機会を認識することにより、その能力を高め、当面する活動に注意を集中し、後に彼らの自己がより強く現れるまで対象との相互作用に没入することによりこれを成し遂げたのである。このように変換されることによって仕事は楽しくなり、心理的エネルギーが投入されることによって仕事はあたかも自由に選び取られたもののように感じられるのである。・・・

(「フロー体験 喜びの現象学」Mチクセントミハイ著 今村浩明訳より引用)
 
 
 
・・・仕事もシューン、シューンとスキーの円弧を描くように楽しんで出来ればいいですね♪
 
 

 

ブログトップへ戻る