淡き・・・。

2008年8月29日

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払暁、上京す。余は業界団体の挨拶廻りに同行せり。

村野藤吾展早朝、新橋駅よりM電工汐留ミュージアムへ徒歩。霧雨肩に降りかかれり。秋色濃し。

 

 

 

「村野藤吾-建築とインテリア」展を拝観す。氏は日本生命日比谷ビル(日生劇場)・広島世界平和記念堂・ウェスティンホテル(旧都ホテル)京都佳水園等常に本邦建築界で重要な位置を占めり建築家なり。

広島世界平和記念堂 あるぜんちな丸

 

  

 

 

興引きしは戦前の豪華客船「あるぜんちな丸」の船室や食堂の艤装なり。モダンかつ繊細なデザインに嘆息す。

直筆の原寸図等、興は尽きず。

午後、監督省庁のT大臣に面談す。京都のO会長・S専務理事・余の3名なり。T大臣は磊落・意気軒昂なり。

「米田さん、おいくつになられました?」

燈刻、横浜K駅に廻り、T嬢の父君の通夜に参じる。細雨糸の如し。往路車中にて訃報を思い出しぬ。T嬢は余の学生時代のスキー部同期生なり。もう一名のY嬢にも邂逅す。両名卒業以来なり。

遺影の前で焼香す。

「すっかりお父さんになっちゃって・・・。」

「また、ゆっくりな・・。」(笑)

滞在数刻で車中の人となりぬ。

余、京都下車時、横目に若き婦人、幼児2名と降車おぼしき風・・。

幼児1名は母の手の中で眠りぬ。兄は2歳位なり。サンダル履きて座席の上に立てり。

・・母は注意せぬか・・??・・

大きし荷物と乳母車あり。

・・!・・

「お持ちしましょうか?」

乳母車を持ちて、下車す。

「有り難うございました。」

弾ける笑顔で謝す。

「僕・・・、危ないでお母ちゃんについときなよ。」(微笑)

疲れし身体に・・・淡き喜び生ず。

 

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