2006年4月23日
「庭の海棠が咲いたので、食事に来ませんか?」とお誘いを受けました。会社のお客様である○○さんと宵の口にお訪ねしました。
二階の座敷からの中庭のピンク色の海棠の花びらの眺めが見事でした。座敷の床の間には書院もついており、欄間も凝った造りでした。
○○さんが、
「この欄間は近江八景を描いてありますね・・。これが瀬田の唐橋・・これが彦根城・・これが三井寺の晩鐘・・これが矢橋の帰帆・・これが堅田の落雁(雁が降り立つ様)・・石山寺の秋月・・浮堂・・紫式部がここらで源氏物語を書いたのではないですか・・?桐の目を使って霞たなびく様を表しています。・・・隠し絵に万年亀と鶴が入っていますね・・。」
「へ~え??」(パチクリ)
「中国の湖南省の洞庭湖の瀟湘八景が本歌(おおもと)です。中国の景勝の地です。」
「へ~え??」(パチクリ)
「そういえば神奈川県にも金沢八景と言う地名がありますね・・・。富嶽三十六景も・・・。」
「書院も電球の替え球みたいなものを置かず、硯と筆くらい置いてもらわんとあきませんな・・。」
「は~い。」(小声)
そんなお話を聞きながら春の宵は暮れていきました。
外にも出よ 触るゝばかりに 春の月 中村汀女