幕末の日本人

2011年11月29日

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久方ぶりに一気に読み進む

とても興味深い。

国際舞台の冷徹な外交史。・・・・物語は米国の騒擾等あらゆる手段を使ったカリフォルニアの争奪から始まる。南北戦争時、常に英国を介入させないという熟慮・苦心。

ゴールドラッシュ・大陸横断鉄道・西部開発等のフロンティアスピリット。その延長の太平洋のシーレーンの確保。軍事的重要拠点としてのハワイの併合。日本・清への触手。

英国等の欧米列強の日本への関税自主権を認めない不平等条約。米国の時折見せる日本へのビックブラザーとしての振る舞いと冷徹な収奪者の二面性。

日露戦争の日本の一方的な勝利の衝撃。台頭する日本への苦々しさと仮想敵国としての認識。カリフォルニアの日本人学童隔離政策。増えつづける日本のハワイへの移民。スペインから勝ち取ったフィリピン統治の不安。セオドア・ルーズベルトの暴走するカリフォルニアの日本人排斥への自制の働きかけ。ガラス細工の日米外交・・・・。

(TVドラマ『坂の上の雲』で観戦武官秋山真之が見るキューバでの米国のスペイン艦隊の閉塞作戦は米西戦争のひとこま)

「日米の衝突は米国から見るとなるべくしてなる。太平洋の覇権をかけて衝突すべき国家同士の宿命。(地政学・民俗学的見地より)」(荷馬李 ホーマー・リー著『無知の勇気』の要旨)

1.米国の太平洋地域での最も重要な懸案はフィリピン・グアム・ハワイに繋がる島嶼(とうしょ)群の安全保障

2.単一民族は強いが、移民が多数派になると国家(米国)は弱い。

結果として、日本への恐怖心。

ホーマー・リーの冷徹な分析・・・・。

 
 

冒頭のペリーが浦賀への来航時、随員の旅行作家ベイヤード・テイラーの記述。

相模湾沿岸は絵のように美しい。二百フィート(六十メートル)ほどの断崖が見え、その割れ目に小さな谷が見えてくる。断崖の奥に続く陸地は緩やかな起伏を見せ、そこに緑濃い木々、耕された畑が広がっていた。その後方には山々が重なり遠くの峰は霞に隠れていた。
 

・・・(いよいよ沢山の小船が近づいてきます。)
 

・・・日本人の漕ぎ手は背が高く立派な体格をしていた。均整をとれた体格には活力が溢れていた。その表情も逞しく男らしさを感じさせた。・・・・・・・船上に上がってきた日本人は蒸気機関の動きを熱心に見ていた。そこには畏れの表情は微塵も見られなかった。達之助はこのエンジンが蒸気機関車に使われているものと同じかと聞いてきた。質問を続ける彼らの見せた上品な振る舞い、洗練された人々が見せる事のできる態度だった。・・・・役人たちの顔はオリーブ色で、頬も唇も血色が良かった。目は大きく、支那人のように斜めにずれていなかった。額は広く表情は豊かで、彼らの心が生き生きとしてることの証だった。・・・ペリー艦隊の士官たちは一様に、こうした日本人が完璧な紳士であることを認めていた。

「・・・入り江の奥の方からきれいな川が流れ込んでいた。川の両岸には民家があり果樹の植えられた庭が広がっていた。彼らをみつけると老いも若きも男も女も川岸に集まってきた。親しげに近寄ってきた人は手に手に冷たい水や熟れた桃を持ち歓迎してくれた。」(「日米衝突の根源」 1958-1908 渡辺惣樹著)

幕末の日本人にとても興味がわきます。

 

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