2014年5月1日
出勤してみますと、八重桜が豪勢に散っており、昨日に続き数人で箒でかき集める。
八重桜、牡丹、燕子花(かきつばた)、芍薬、躑躅(つつじ)と一度に咲いたような感じです。
さて、飛び石連休の一日は神戸へ出かけ「北斎展」を観てきました。
日本経済新聞の日曜版の美術欄「美の美」が好きでよく新聞を眺めております。
以前五月の連休にいった大阪の美術館は人が多かったので今回は早い時間に行きました。
江戸後期の浮世絵師として生涯に描く事3万点以上、常に新たな画様式を追求した傑出した絵師であったかと思います。
また生涯に転居する事93回、画号を変える事30回、奇矯の人でもあったかと思います。
役者絵にはじまり、浮世絵や洋風版画、「冨嶽三十六景」や「諸国瀧廻り」「諸国名橋奇覧」などの著名な浮世絵版画、摺り物、団扇絵や珍しい組上絵にいたるまで才能の赴くまま森羅万象を描いた北斎の画業を楽しむ事が出来ました。
画題などを観ていて「おやっ?」っと思ったのは当時の人々の心に見える景色でした。
「三代目瀬川菊之丞のおそめ」
・・・瀬川菊之丞とは当時有名だった役者だろうか・・・?
「おそめ」とは、さぞ美貌の誉れ高い娘だろう・・・。
そういえば、先日組内の用事で電話帳を調べると「○之丞」というお名前があったが・・・?
立派なお名前に感じたが・・・。
ところで「丞」とはなんぞや??・・・
(あとで調べると「丞」とは下のものが上を支える意。下のものが上に上がっていく様。「蒸気」。
丞相。君主を補佐した最高の官吏。 蕭何。次男さんだろうか?)
「百物語 お岩さん」
・・・それにしてもなんかユーモラスなおばけやなぁ・・・。
江戸時代の人は妖怪を信じたのだろうか?・・・
「新版浮絵 浦島龍宮入図」
・・・みんな頭に魚のかぶり物をつけているw「浦島太郎」の故事そのままやなぁ。
そういえば先々月の甥っ子の婚礼で、会社が東京の晴海にあるせいか?同期の人がおなじように頭に魚の
「冨嶽三十六景 尾州不二見原」 「冨嶽三十六景 凱風快晴」
・・・当時は霊峰富士に参る「富士講」が盛んだったらしい。丁度お伊勢さんに参る「伊勢講」のように。江戸にも「富士塚」が造られ近所で参ったらしい・・・
「朱鍾馗図」(しゅしょうきず)
・・・お寺で見るお坊さんの墨絵みたいやなぁ。
正確には道教の神さん。
陶器で出来た鍾馗さんを手に入れた事がある。
そういえば、今読んでいる「下谷叢話」永井荷風著に端午の節句の頃、江戸中に鍾馗さんを描いた旗が
沢山飜っていた事だろう。という記述があった。
鍾馗さんは疱瘡よけの神様らしい・・・
当時はどんな事が流行り、どんな事を楽しみとし、どんな事を信仰し、またどんな近所付き合いをしてたのでしょうか?
当時の市井の人のこころに見える景色はどんなだったのでしょうか?
とても興味があります。
ひるがえって、私たちがみるこころの景色は後世の人々にどう映るでしょうか?
面白いですねw
(「三曲合奏図」 北斎の娘、葛飾応為作)