朝、外で道路掃除をしていましたら、一片の真綿のような雪片が舞い降りてきました。気温が低いため、雪の結晶がわかるようです。
外を歩きながら、こんなことを思い出しました。
とある昔、学生のとき、スキーの選手として活動していました。12月の初めに北海道の大雪山系の旭岳に一人で入っておりました。大学4年で最後のシーズンとして期するものがありました。
スキー場といっても山歩きのためのロープウェイが縦に2本あるだけでほとんど整備されていず、その下を滑り降りてくるだけでした。気温が非常に低いために、粉雪がひっきりなしに舞っておりました。少しのスキー選手や好事家が滑っているだけでした。
15:00頃になりますとあたりが暗くなり、パトロールが、
「危ないから下山してください・・。」と一斉に声をかけ始めます。
私も下山しようとして、廻廊のところに差し掛かりますと、初心者を連れて悪戦苦闘している青年に出会いました。
「・・大丈夫ですか・・?」と声をかけました。
「・・あっ・・!米田君じゃないですか・・!」
・・私が見覚えのない同じ大学の学生でした。スキー選手として多少学内で知られていた私のことを覚えていられたようです。九州出身の全くスキーが初めてのクラスメートをつれて彼の旭川市内の実家に泊まり、こられた様子でした。
2人で手助けしながら山を降りました。
誰もいないヒュッテに入り、達磨ストーブを囲みながら、しばし歓談しました。彼が学内のスキー同好会に入っていること・高校は函館の高校に行ったこと・・・。
外は暗くなり深々と粉雪が舞っておりました。
別れ際彼が「今日は僕の家に泊まりに来ないですか・・?」と誘ってくれました。残念ながら、シーズンに入っているため、体調管理を考えて辞退しました。
二人を見送り宿に帰りました。
深々と粉雪の降りしきる中、3人で達磨ストーブを囲んで語りあったことがまるで幻のようで、よき思い出です。
雪の降る夜は たのしいペチカ
ペチカ燃えろよ お話しましょ
むかしむかしよ 燃えろよペチカ
(ペチカ 北原白秋作)