自転車で家に向かう。
夏の夜の気配が、心地よい。
街灯にぼんやり浮かぶ街路樹の百日紅(さるすべり)も、季節に良く合う。
若い頃、つれづれなるままに、著名な作曲家の團伊玖磨氏のエッセイ「パイプのけむり」シリーズを数十冊読みました。
もっとも印象深い話があります。
氏が若年の頃、欧州に遊学中、中東のパリと言われたイランの首都テヘランに遊んだときの話しです。
テヘランはマロニエの似合うとても美しい街だったそうです。
氏はそこで、舞踊団の美しい娘と知り合う。
・・・・漆黒の闇の中で、褐色の肌が光った・・・。
とても幻想的な話しでした。
そんなことを思い出しながら、夜の気配の中、ペダルを漕ぎました。
花の街
七色(なないろ)の谷を越えて
流れて行く 風のリボン
輪になって 輪になって
かけていったよ
歌いながらかけていったよ
美しい海を見たよ
あふれていた 花の街よ
輪になって 輪になって
踊っていたよ
春よ春よと 踊っていたよ
すみれ色してた窓で
泣いていたよ 街の角で
輪になって 輪になって
春の夕暮(ゆうぐ)れ
ひとりさびしく ないていたよ
江間章子作詞・團伊玖磨作曲