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コラム

敷地選びの際の注意点(電柱編)

いまの倉庫が狭くなってきたので、新しい土地に倉庫を計画しよう!

3年後に大きな仕事が決まったので、新しい土地に今より大きな工場を計画しよう!

この様に建築計画を構想する時に土地選びという選択を行う事が多々あります。

その際に土地の広さもOK、立地的にもOK、用途地域も問題なしという時に、案外見落としがちなのが敷地周辺の構造物です。

この構造物の中でも特に見落としがちなのが「電柱」です。

電柱があると搬出入トラックの動線が制限されたり、建物計画が思った通りにならない場合があります。

しかしながら必ずしも電柱があるからといって、良い土地を諦める必要はありません。

電柱移設が可能なケースや、移設出来ない可能性について少しお話させて頂ければと思います。

①電柱ってどんな時に邪魔になるの?

電柱1本2本立っている位、そんな問題ではないだろう!

邪魔なら電力会社に言えば動かしてくれるだろう!

程度にお考えの方もおられるかもしれません。

しかしながら案外電柱があると影響がある場合があります。

例えば…

・電柱が敷地中央付近の前面道路沿いに建っている

→敷地内への動線に影響する可能性 等

・電柱から斜め向きの線が生えている(これを支線といいます)

→電柱と支線の位置により、建物の配置する範囲に影響を及ぼす可能性 等

電柱が有る事で起こる問題もあれば、電柱を動かす事で起こる問題もあります。

②電柱の移設について

【1】電柱が邪魔な時に動かして貰えるの?

電柱が敷地の端付近に建っている場合はそこまで問題は起きません。

しかしながら敷地の正面に建っている場合は、建築計画に配慮が必要になります。

建物の配置や使い方を踏まえて回避する場合もありますが、それが出来ない場合には移設を考える必要があります。

電柱を移設する事自体は、基本的には可能というのが答えになります。

【2】電柱を動かす事が出来る範囲

大前提として費用が掛かるかは別とすると、電柱は基本的に移設が出来ます。

しかし幾ら基本的に移設可能と言っても、道路が接している範囲内での移設が大原則です。

移設先に影響がある方の同意が得られればどうか?等は要相談となると思います。

ですので、まずは電柱所有者に相談する事が良いかと思われます。

【3】電柱の移設が不可能となる可能性が高い場合

電柱はあるある程度の等間隔で建っています。

つまり明らかに隣の電柱と近すぎる・遠すぎる場合は希望の位置に移設が出来ない場合があります。

また交差点付近や埋設配管(水道・ガス 等)の位置によっても希望の位置に移設が出来ない場合があります。

私たちの様な工場・倉庫を専門としている建築会社では、必然的にお客様の建設予定地も工業エリアが多くなります。

その場合に要注意なのが、高圧電線を備えた電柱なのかどうかという点です。

【4】責任分界点の違い

高圧電気は工場等で機械を動かす為に必要な電気で、一般家庭とは異なる電線で引込みます。

電柱から一般家庭への電線を引込む場合は、引込みの電線は電力会社の所有物です。

しかし高圧電線の引込みは引き込んでいる事業主様の所有物になります。

その引込線が接続されている電柱を動かすと、物理的に引込用の高圧線の長さに影響が出ます。

そうすると電線の長さが足りなくなった場合は、新しく電線を引込直す必要があります。

この費用は引込先の方の負担となります。

費用が発生し、また移設時には停電も発生するので、なかなか簡単には電柱を動かす事は出来ません。

まとめ

上記の様に電柱を動かす事は、基本的には可能です。

しかし電柱を動かす事が出来ない場合がある事もご理解の上、土地選びをして頂ければと思います。

最後に電柱の所有者の判別方法をお伝えします。

電柱を移設出来るかどうかは、最終的には電柱の所有者への相談が必要です。

③電柱の所有者について

電柱には基本的にプレートが付いています。

基本はそのプレートを見れば所有者がわかります。しかしながら1つの電柱に2つのプレートが付いている場合があります。

電力会社のエリアにより異なる場合がありますが、私のいる関西エリアでは、「2つのプレートのうち、上についているプレート」が電柱の所有者となります。

関西電力様のプレートやNTT様のプレートも企業ロゴがある場合と無い場合があります。

その様な時はプレート内に「N・E・W・S(G)」(北・東・西・南)の文字が入っている場合は、関西電力様のプレートとなります。

また数字のみやR・Lの文字が入っている場合は、NTT様と見分ける様にすると良いと思います。

詳しくは関西電力様WEBページに記載されてありましたので、リンクを貼っておきます.

関西電力配送電 よくあるご質問・お問い合わせ(https://www.kansai-td.co.jp/faq/2/2/2/q10028629.html

この様に基本的には動かす事が出来るが、出来ない場合もあるので、電柱を確認すると電柱所有者に相談を早めにするのが最適です。

電柱の移設は半年程度かかる事があるので、要注意です。

また移設自体に費用が発生する場合(道路上での移動等)は、数十万円程度かかりますので、よく考えて電柱の移設を検討してください。

この土地に工場を考えているが、電柱がある。でも建物の計画が未だ何も決まっていないといった状況からでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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