「冬暖かく夏涼しい」「温度差が少ない」「空気がきれい」「地震などの災害に強い」「音が静か」など、すぐれた居住性を持つ、SW工法住宅は、高気密・高断熱住宅の性能を発揮するために、高性能SWパネル、高断熱サッシ、計画換気システムで構成されています。
一般の住宅とは一部異なる構造や設備となっているため、一年を快適に過ごしていただくためには、計画換気システムの使い方など、いくつかのポイントがあります。
一年を通じて快適に過ごすために
安全について
SW工法住宅の性能を十分引き出すための注意事項
1気密性が高い住宅となっているため一酸化炭素(CO)を室内に放出する開放型の暖房器具、湯沸かし器等は、絶対に使用しないでください。
酸欠や一酸化炭素中毒の恐れがあります。
※開放型とは室内の空気を燃焼させ、その燃焼空気をそのまま室内に放出する仕様のものです。
2キッチンで火を使うときは、レンジフード(換気扇)を回して換気してください。
換気しないと酸欠や一酸化炭素中毒の恐れがあります。
スーパーウォール工法住宅は、排気と給気を同時にできる同時給排型キッチンレンジフードを採用しています。
3長時間の車の暖気運転は、建物から離れて行ってください。
酸欠や一酸化炭素中毒の恐れがあります。
スーパーウォール工法住宅では、換気フードや通気層(給気口)から外の空気を取り入れます。
建物の近くで、車の排気ガスが長時間多量に発生すると、換気フードなどから室内に入る恐れがあります。
長時間暖気運転する必要のあるときは、あらかじめ車のフロント部を建物に向けて駐車することをおすすめします。
4計画換気システムの運転は、止めないでください。
室内の空気の汚れや結露による住まいの性能低下の原因になります。
※外壁の塗装工事や防蟻工事、外部の臭いが特に気になる場合などは、換気システムの専用ブレーカーを下げて、一時的に運転を停止し、工事完了後の運転を再開してください。
5計画換気システムのフィルターは、定期的に清掃してください。
フィルターが目詰まりすると「結露する」「ムシ暑くなる」など、住まいの性能低下の原因となります。掃除機などでフィルターの汚れを取り除いてください。
6「お住まい上のご注意シール」を計画換気システム本体または目につくところに貼ってください。
より快適に暮らすためのアドバイス
~計画換気システムについて~
SW工法は、気密性を高めた構造により、すきま風に影響されにくく、家中を効率的に計画換気することができます。計画換気では汚れた空気・生活臭・湿気を排気口から排出し、外からの空気はフィルターでホコリや砂塵を少なくして取り入れます。
エコエア90
第一種(機械給気・機械排気)熱交換型ダクトタイプ
機械的に強制給排気を行い、外の風速変化に関わらず、常に適正な換気量を維持できます。
また、熱(温度)と湿度の両方を交換する、全熱交換型を採用しています。
※換気は24時間連続運転が基本です。
キッチンは、局所換気を使用
キッチンでは、一度に大量の汚れた空気を排出します。そのため、SW工法住宅では、同時給排型のレンジフードを使用しています。
ガスコンロ・IHをお使いの時は必ずレンジフードを運転してください。
※局所換気とは、最小限の風量で連続運転する計画換気とは別に、キッチンのレンジフードや浴室、トイレなどで汚れた空気を集中的に排気することをいいます。
SW工法住宅のすばらしい快適性をいつまでも実感していただき、エネルギーを節約しながら、より快適にくらしていただける工夫をご紹介します。
春・秋(爽やかな季節)
1気候のよいときは窓を開けて外気を取り入れて生活
春や秋の気候のよい時期は、開放感を楽しむために、窓を開けても問題ありません。
2「エコエア90」には、PM2.5対応フィルターをオプションでご用意。
オプションにて、外気に含まれる微粒子(2.0μm)を約90%捕集できる高性能フィルターをオプションでご用意しています。
夏/梅雨・秋雨(高温・多湿の季節)
1快適な冷房の温度・湿度
冷房の温度は25~28℃、湿度は50~70%を目安にしましょう。室温を下げ過ぎるとエアコンの吹き出し口やその付近で結露が発生することがあります。
また、冷気が直接カラダにあたると不快ですので、吹き出し口の角度を調整する工夫も行ってみてください。
※快適な温度・湿度は、年齢などにより個人差があり、あくまでも目安です。
2温度が高くなったときはエアコンの除湿機能を利用して湿度管理
梅雨の晴れ間など、長雨の後は外気の湿度は90%になることもあり、カビの発生しやすい環境になります。湿気を除去するためにエアコンの除湿機能を利用しましょう。
また、室内の清掃をこまめにすることでカビ発生の防止になります。
カビが発生した場合
万一、カビが発生した場合は、消毒用アルコールなどで殺菌して拭き取ります。濡れ雑巾での拭き取りや掃除機の使用は、むしろカビを部屋全体に広げてしまうのでやめましょう。
3入浴後の温度管理
入浴後は、湿度が高くなりやすいので、余分な水蒸気を出さないように、浴槽にフタをしたり、浴室のドアを閉めましょう。
4生活に合わせた冷房の使い方
ムシ暑い夏でもSW工法住宅は、壁からの輻射熱が少ないので、一般住宅に比べ、冷房の設定温度を少し高めにしても快適になります。特にムシ暑い日や夜などは、運転を止めず、やや高めの温度で連続運転するほうが、つけたり消したりするよりも、エネルギーを節約でき快適に過ごせます。
また、リビングに設置している高性能エアコンなら、24時間連続運転しておくのが良いです。エアコン自体がエコで快適な温湿度運転をしてくれます。
ご入居当初や長期間外出の場合は、建物全体が暖まっているので冷房の快適温度になるまで時間がかかります。普段より、やや低めの温度に設定することをおススメします。ただし、設定温度を無理に下げる必要はありません。
5冷房効率を高める工夫
夏の日差しが室内に入ると、保温性にすぐれた住宅なので部屋の温度を高める原因になります。夏は、窓の外に日除けをつけて(特に西側の窓には)、日差しが直接室内に入り込まないような工夫が効果的です。
日差しを遮る効果
夏の強い日差しが室内に入り込まないように、屋内側(部屋)に「レースカーテン」「ブラインド」をつけた場合と、家の外側に「日除け」をつけた場合の遮蔽効率の比較。
冬(寒く、乾燥する季節)
1快適な暖房の温度・湿度
暖房の温度は18~22℃、湿度は40~60%を目安にしましょう。暖房温度を上げ過ぎると相対的に湿度不足になり、ノドの乾きを感じることがあります。また、加湿のし過ぎは窓面などに結露を発生させることがあります。
2生活に合わせた暖房の使い方
快適でエネルギーも節約できる、暖房の工夫をご紹介。
日中はカーテンを開けて、光を部屋の奥までたっぷり取り入れましょう。冬の暖かい日差しが室内を暖め、省エネ暖房ができます。
SW工法住宅は、すきま風や冷気の吹込みが少ないので、一般住宅に比べ、暖房の設定温度も少し低めでも快適です。特に寒い夜などは「運転を止めず、やや低めの温度で連続運転」のほうが「寝る時に消して、翌朝つけて快適温度にする」よりも快適で、エネルギーも節約できます。
3窓からの冷気への工夫
窓を閉めているときでも窓面から冷たい風が流れることがあります。外の冷気が室内に入ってくるのではなく、空気が窓面で冷やされ、それが伝わってくる現象です。これを「コールドドラフト」といいます。寒さが気になる場合は、窓に厚手のカーテンを取り付けるなど、窓まわりの工夫を行うとよいでしょう。
4加湿の工夫
湿度の低い冬季では、室内がやや過乾燥気味に感じることがあります。そのような場合は、加湿器や洗濯物から発生する水蒸気を利用するなどして、加湿することをおススメします。ただし、長時間の加湿や洗濯物を多く干した場合は、窓が結露することがあるので、ご注意ください。
5冬季のご入居・長期の外出の場合
ご入居当初や長期間外出した場合は、建物全体が冷えているので、暖房の快適温度になるまで時間がかかります。そのため、ご入居後しばらくの間は、暖房の温度を普段より高めに設定することをおススメします。ただし、設定温度を無理に上げる必要はありません。
四季を通じて
1室内、部屋間の温度差の目安
室内では天井付近と足元の温度差が2~3℃以内、部屋間の温度差なら5℃以内がストレスを感じない温度差の目安です。
2カーペットやカーテンなどで音の響きをやわらげましょう
室内の音が気になるときは、カーテンやカーペットは音を吸収しやすいので、上手に利用して、音の響きをやわらげましょう。
3植栽による省エネ温度調節
植栽は外部からの光や熱などを上手く調節してくれます。庭の芝生等で日光の照り返しが少なくなります。また、南側、西側の庭には落葉樹を植えて、夏・冬の日差しを調節、また、北側には常緑樹を植え、冬の北風を防ぐなどの工夫をすることが省エネにつながります。
【夏】南側に植えられた落葉樹は夏に日陰をもたらし室温の上昇を抑えます。
【冬】冬に葉が落ちて日差しが室内の奥まで入り室温を上げられます。
メンテナンス(定期清掃)
計画換気システムの清掃
入居後2ヶ月はフィルターが汚れやすいので、2週間に1回程度の清掃をおススメします。
換気システム(エコエア90)のお手入れ
【掃除】本体フィルター(2か所)を2ヶ月に1回を目安に掃除
【フィルター交換時期】本体フィルター(2か所)とも2年が目安
換気商品 | LIXILお客様相談センター 0120-126-001 |
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修理のご依頼 | LIXIL修理受付センター 0120-413-433 |
フィルターの購入 | LIXILパーツショップまたはお客様相談センター 0120-126-001 https://parts.lixil.co.jp/lixilps/shop/ |
24時間換気システムの換気フードは定期的に点検をしてください(※防火地域のみ)
換気フードは防火ダンパーが閉じていないか(防火ダンパー付タイプの場合)など、半年に1度を目安に点検が必要になります。
問題がないか、定期的にご確認をお願いします。※防火ダンパーが付いていない場合は点検不要です。
【確認方法】
本体が動作していることを確認の上、室内の給排気口から風が出ているか確認。
防火ダンパーが閉じていないかのチェックは、本体が動作している事を確かめ、室内の給排気口から風が出ているか、吸い込んでいるかを確認してください。(ティッシュなどで確認)
トラブルの予防
1停電になった場合の対処
長時間の停電で、換気システムが停止している間は、窓などを開けて外気を取り入れるようにしてください。半日程度の換気システムの停止では、人体に悪影響が出る心配はありません。
停電が復旧したら、換気システムの専用ブレーカーを一度下げてから、上げてください。
停電などで換気システムが停止した場合の室内空気の変化
換気システムが停止すると室内の二酸化炭素の濃淡が徐々に高まりますが、短時間で人体が危険になることはありません。
(但し、結露したり、ムシ暑くなるなどの影響が出る場合があります。)
スーパーウォール工法住宅で換気システムが停止した場合の、室内の二酸化炭素の変化
実験条件
・延床面積:138m2
・計画換気階数:約0.5回/h
・計画換気システムの換気量:180m2/h
・測定場所:千葉県野田市 住宅の2階主寝室
・測定日:96年8月5日22時~翌朝7時
・家族構成:6人
注)このデータは、上記の条件下で測定の一例であり、住宅の仕様、生活スタイル、測定条件によって異なった値となる場合があります。
※出典/健康快適住宅宣言(国土交通省)
2地震・洪水の場合の対処
地震後、万一、基礎・外壁に亀裂が生じたり、損傷した場合、あるいは洪水などにより、床下が浸水した場合は、基礎や土台などの点検が必要です。ヨネダまでご相談ください。